「捕食」が魅力の食虫植物。その分類と定義

スティービー・ワンダーの歌声に「ウワ〜〜ア〜ア〜・・パクリッ」とあるので、彼の思い浮かべる食虫植物は明らかに「ハエトリグサ」ですが、よく考えれば、叫んでいるのですから、今から食われてしまう感覚は、食われる昆虫には起こらないはずです。逃げるまもなく「パクリ」ですから。だから、彼は食虫植物に対し、誤った思い込みをしています。

 

自分がチョイスした初めての食虫植物が「ハエトリグサ」でしたから、これに関して、私にも誤った思い込みがありました。植物である限り、捕食するために追いかけたりするようなハンティング行動はありません。しかし、密かにその期待はがあったことを告白します。ハエトリグサを幾株か部屋に置いていても、害虫駆除はしません。「益虫」のように害虫を積極的に捕食する動作はないのです。すべての食虫植物は、基本、「待ち伏せ」です。ヒトを含めたあまねく動物は「待ち伏せ」に忍耐を要します。一部、海綿動物の仲間「珊瑚」や貝の「牡蠣」は待ち伏せで捕食しています。このような生き方は、「植物的」です。

 

食虫植物の魅力は、「捕食」にあります。
ですから、私のような食虫植物初心者には、動きがはっきり判る「ハエトリグサ」をお勧めします。

 

スティービー・ワンダーのもう一つの誤りは、「食虫花」としているところです。食虫植物が捕食器官として使用している部位は、どれも「葉」を変形させたものです。「花」にその機能がある植物は発見されておりません。花は植物にとって、生殖器官です。そういう意味では、雌雄はともかく、「昆虫」は男で、「花」が女なのでしょう。スティービー・ワンダーも同じ考えに違いありません。

 

最後が近づきました。せっかくですから、食虫植物について、客観的な事柄を紹介しておきます。

 

研究

食虫植物についての体系的な研究はほとんどなされておりません。そんな状況ですから、そもそも「食虫植物」の定義が固まっていません。興味を持って調べると、「・・・において、これは食虫植物と言える。」とかの文言を頻繁に見かけます。生物学的な分類、定義がないのが実情です。

 

動物の死骸に発生する細菌に植物細菌(菌類)があります。「カビ」がその代表です。これは明らかに食虫植物ではないですが、生物学的に追求すると難しいとのことです。

 

昆虫を殺傷する気体性毒物、液体性毒物を発する植物があります。蚊取り線香の原料である「除虫菊」が有名です。中には、大型動物をも殺す毒がある「トリカブト」や「ヒガンバナ」もありますが、動物を殺傷する能力がその植物にとっての繁殖に意味を見いだせないそうです。

 

この分野は、2000年初頭になって初めて本格的な研究が始まったそうです。